赤ちゃんのb型肝炎ワクチンについて

医師1

b型肝炎ウィルスの感染者は、日本国内で約100万人と推定されており、乳幼児や3歳以下の小さな子どもが感染するとウィルスを体内に保有した状態になり慢性肝炎になる場合があります。慢性肝炎になると肝硬変や肝臓がんなどの病気を引き起こす恐れがありますので、できるだけ早く赤ちゃんにワクチンを接種することが大切です。

b型肝炎の症状

b型肝炎は、b型肝炎ウィルスが体内に侵入することによって肝炎をおこして慢性化させ、将来的に肝硬変や肝臓がんになる恐れがある病気です。感染経路は分娩時での母子感染やウィルスに汚染された血液の輸血などの水平感染ですが、子どもの場合は原因不明の場合が多くあります。

症状としては、疲れやすくなり黄疸が出ますが、ごく軽い場合もあり、流行している遺伝子型Aによるb型肝炎は慢性化する場合もあります。発熱や全身倦怠感、食欲不振などの症状が現れる場合もあります。劇症肝炎と呼ばれる重い症状が現れると、命に関わる危険性があるので注意が必要です。

症状が無い子どもでも肝臓に定着した肝炎ウィルスが、免疫治療などで再発して重症化する恐れもあります。多くの場合は、無症状のまま自然に治癒するとされていますが感染した方の2割から3割は急性肝炎を発症します。

子どもの免疫とワクチン

赤ちゃんは病気や感染症に対する抵抗力が未発達ですから、さまざまな感染症にかかり感染することで免疫をつけながら成長していきます。しかし、乳幼児がかかりやすい感染症の中には、軽いものだけではなく治療法がなくて深刻な合併症や後遺症を発症する病気もありますので、ワクチンを接種して赤ちゃんを守ることが大切です。

不活化ワクチンについて

b型肝炎ワクチンは、不活化ワクチンに分類されています。この不活化ワクチンは、ウィルスや最近の病原性を完全になくして、免疫をつくるために必要な成分だけを製材にしたワクチンです。不活化ワクチンを接種してもその病気になることはありませんが、一度の接種では充分な免疫が確立されませんので、複数回の接種が必要になります。

ワクチンを接種する際の注意点

ワクチンは接種した後に、赤く腫れたり少し熱が出るといった軽い副反応が生じる場合があります。また、生まれつき免疫が極めて弱い先天性免疫不全症がある場合や小児がんの治療などで免疫を抑える薬を服用している場合は注意しなければなりません。

ワクチンの成分に対して極めて強いアレルギーがある場合は、接種することによってショックを起こす危険性が高くなります。ですから、特別な病気を患っている乳幼児は医師による判断が必要ですがこのような場合以外は安心して接種することが可能です。

同時接種のメリット

日本の乳幼児が1歳になるまでに接種するワクチンはたくさんあります。ワクチンによっては複数回の接種が必要ですから、効率よく接種するために同時接種が推奨されています。ワクチンの同時接種は、必要な免疫をできる限り早くつけて赤ちゃんを病気から守るだけではなく、保護者の通院の負担を軽減することもできます。

免疫ができることで、一過性の肝炎を予防できるだけではなく、ウィルスのキャリアになることも予防でき、周囲への感染を防ぐメリットもあります。

b型肝炎ワクチンの接種時期と回数

母親がb型肝炎ウィルスのキャリアではない場合、生後2ヶ月から受けるヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチン、ロタワクチンとの同時接種がおすすめされています。

b型肝炎ワクチンは、4週間の間隔をあけて2回接種し、2回目から4ヶ月から5ヶ月後に3回目の接種が提案されており、3回目の接種は1回目から139日以上の間隔をあけます。

b型肝炎ウィルスの感染力

b型肝炎ウィルスは、C型肝炎ウィルスやエイズウィルスよりも感染力が強く、血液や体液が傷口や粘膜に付着することで感染します。空気や飛沫感染の恐れはありませんが、血液や体液が付着したものには直接ふれないように注意する必要があります。

乳幼児と接する場合は、口移しで食べ物を与えないようにすることも大切です。

b型肝炎ワクチンの免疫力

b型肝炎ワクチンを接種することで免疫を獲得することができ、その免疫の持続力は15年間と確認されています。20歳代までに接種を行った場合も高い効果が期待できます。乳幼児期での接種では、その予防効果は20年以上持続すると考えられており、10歳から20歳で追加接種ができればさらに安心です。(関連リンク > 肝炎訴訟)

しかし、ワクチンの効果は年齢とともに低下しますので、40歳を過ぎてからのワクチン接種による免疫の獲得率は約80%となっています。

乳幼児期に3回の接種を行うと、ほぼすべての人がb型肝炎に対する免疫を獲得することができるといわれており、赤ちゃんの時期に確実な基礎免疫をつけておくことが理想的でしょう。

b型肝炎ワクチンの必要性

肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれており、自覚症状がないまま病気が進行してしまう特徴があります。b型肝炎ウィルスに感染しただけではほとんど症状が現れず、本人が気付かないうちに家族やパートナーにうつしてしまう場合もあります。

特に乳幼児や小さい子どもが感染した場合は、いつどこで感染したかわからない事も多いため、赤ちゃんがb型肝炎ウィルスにかからないためにワクチンでの予防がとても大切になります。

b型肝炎ワクチンを接種する際のポイント

b型肝炎ワクチンを接種する当日は、赤ちゃんの体調をチェックしておく必要があります。具体的には、熱があったり普段と変わったところはないか確認しておき、万が一心配な症状がある場合は医師に相談することが大切です。

母子健康手帳は必ず必要で、質問などがある際には事前にメモをしておくとスムーズです。ワクチンを接種する際には、動かないようにしっかり抱き保護者の方はリラックスすると赤ちゃんも安心します。

b型肝炎ワクチン接種後の注意点

b型肝炎ワクチン接種後の30分は、体調の変化が生じることもありますので、医療機関で赤ちゃんの様子を見ておきすぐに医師と連絡がとれるようにしておくと安心です。

接種後は、ゆったりと過ごし接種した箇所を清潔に保ち、入浴時にはこすらないように注意します。接種箇所は、赤くなったり腫れる場合がありますが、いつもより機嫌が悪かったり変化がある場合は、医師に連絡することが大切です。

注射したところだけではなく、熱がでたり刺激に反応しやすくなることもありますので心配な場合は、放置しないで医師に相談するとよいでしょう。

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